胃がんとは

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜の細胞が、何らかの原因でがん細胞になることから始まります。始まりは細胞単位で発生するので、胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには何年もかかるといわれています。 大きくなるにしたがって、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜(しょうまく)やさらにその外側まで侵食し、近くにある大腸や膵臓にも広がっていきます。また、胃の壁の外側にある血管の中や、リンパ管に入りこんで転移(てんい)することもあります。がんが直接お腹の中に散らばるように広がる腹膜播種(ふくまくはしゅ)という転移もあります。 がん細胞が、粘膜または粘膜下層までにとどまっているものを「早期胃がん」といい、筋層より深く達したものを「進行胃がん」といいます。

胃がんは日本人に多い病気で、部位別のがん罹患率は、男性2位、女性4位(2017年罹患数(全国合計値)・国立がん研究センター)となっていますが、早期の段階で発見されれば、良好な経過が期待できるがんです。早期発見をするために40歳を超えたら毎年検診を受けることが望ましいです。

原因

胃がんの発生には、ピロリ菌※による感染、食生活、喫煙などが影響していると考えられていますが、原因が全て解明されている訳ではありません。特にピロリ菌は、胃がんの発生率が高くなり、除菌により胃がんの発生率が激減するとの報告が学会で発表されています。

※ヘリコバクター・ピロリ菌

日本では、60歳以上の60%がピロリ菌に感染しているとされています。初期のうちは特徴的な自覚症状がないことがほとんどです。尿素呼気試験で感染の有無を調べています。1~2週の治療で除菌することができます。

症状

早期の胃がんでは、なにも症状がなく、検診などで見つかることが多いがんです。一般的に進行した胃がんでは、腹痛、腹部の膨満感、嘔吐、吐き気、胸やけなどの症状がありますが、全く症状が無い場合もあります。そのため、本人が気づかないまま、検診などでがんが見つかることもあります。
がんが進行してくると、おなかの痛みや不快感などを訴える人は増えてきます。さらに、吐血や黒色便などの出血症状が出現することもあります。さらに進行すると、全身倦怠感、体重減少のほか胃がんそのものが腫瘤となって、触れるケースもあります。

<< 前のページに戻る

ページのトップへ戻る