胃外科で担当している疾患

胃がん、胃粘膜下腫瘍(GIST:消化管間質腫瘍など)、腹部のヘルニア(鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなど)を主に担当しています。病状に応じた治療方針を、消化器内科や腫瘍内科とも相談の上で決めており、手術治療全般と手術前後の化学療法を主に行っています。

<診療の特色>

○ からだへの負担が少ない治療を目指して、次の2つの点を大事にしています。

1.低侵襲な手術
近年普及している腹腔鏡手術を積極的に施行しています。手術の難易度が高い進行がんや、高度の癒着が予想される腹部手術既往のある方に対しても、腹腔鏡手術を施行可能か検討するようにしています。その中で、胃癌治療ガイドラインに準じた胃がん手術を、従来の開腹手術と変わらずに行うよう努めています。

2.胃を残す工夫
胃がんの病変の位置によっては、早期がんであっても、胃全摘を選択することがあります。しかし、胃を一部でも残す意義は高いと考えていますので、少しでも胃を残して、胃全摘を回避するような術式を検討するようにしています。V

○ 手術治療にとどまらず、集学的治療(化学療法や放射線療法などの治療を組み合わせた、がん治療)を行います。

1.術後補助化学療法
がんの進行度に応じて、手術後の化学療法が推奨されています。胃癌治療ガイドラインに準じて、内服の抗がん剤による治療や、点滴の抗がん剤を組み合わせた治療を行っています。

2.術前補助化学療法
手術で取り切れるけれども、再発の可能性が高いような進行がんに対しては、手術前に抗がん剤治療をすることで、再発の可能性を減らすことが出来ると考えられています。

3.化学療法後のコンバージョンセラピー
はじめは手術で取り切れないような胃がんであっても、抗がん剤が有効でがんが縮小していき、手術が可能となることもあります。治すことが難しい胃がんに対しても、あきらめず、病状に応じた治療方針を考えていきます。

○ より良い医療を、安心して受けていただけるよう心がけています。

1.他の診療科との連携
消化器内科や腫瘍内科と連携を取って診療に当たっています。内視鏡治療の適応となるような早期がんは消化器内科で治療をします。一方で、手術治療が困難な進行がんは腫瘍内科で治療を行います。適切な治療方針を決めるためにも、それぞれの専門医による話し合いを定期的に実施しています。

2.様々な職種との連携によるチーム医療
胃がんに対する治療を、医師、看護師だけではなく、様々な職種で支援します。手術前後には、管理栄養士による栄養サポートや、歯科医による口腔ケアを受けて頂いています。また、抗がん剤治療の際には薬剤師も交えたサポートチームがあります。さらに、病状や生活状況に応じて、ソーシャルワーカー(社会福祉士)、リハビリテーション専門職、臨床心理士などと連携したチーム医療を提供しております。

3.地域との連携
かかりつけ医など、お近くの病院や医院と連携した術後の通院計画を作成しております。特にステージIでは、「地域連携パス」を運用して、普段はかかりつけ医を受診して、当院への通院の負担を減らした上で、適切に術後の経過をみるようにしています。

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