乳腺・内分泌グループ

診療内容

乳腺・内分泌外科は、乳腺疾患と内分泌(甲状腺、副甲状腺[上皮小体])疾患を対象とした診療科で、主にがんに関する診療および研究・教育に取り組んでいます。

乳腺疾患については、日本人女性のがんの中で最も多く、今も増え続けている「乳がん」の早期診断・早期治療に努めています。各種画像診断をうまく組み合せることによって、触ってもわからない早期のがんも診断が可能です。乳がんの治療においては、根治性と整容性を兼ね備えた「乳房温存療法」の確立を目指し、乳房温存療法実施率の高さ、温存乳房内再発率の低さで優れた成績を挙げています。また、乳房全摘後の乳房再建も保険適応の認定施設となっており、QOLの高い治療法選択が可能となっています。

一方、進行して発見された乳がんの患者さんや再発された患者さんには、がんの性格や病状に応じて化学療法(抗がん剤)、内分泌療法、分子標的治療、放射線治療を適切に組み合せることにより、高い治療効果を挙げています。

甲状腺疾患については、結節(しこり)が問題になるものと機能(ホルモン量)が問題になるものに分けられます。結節の多くは手術の必要がない良性ですが、手術を必要とする悪性(がん)もあります。悪性であってもその多くは、進行のゆっくりした治りやすいタイプに属します。

一方、「機能」の病気ではバセドウ病(甲状腺機能亢進症)があります。この病気では手術以外にも、内服薬、放射線(放射性ヨード)による治療があり、各々に長所と短所がありますので、患者さんに適した方法を選択できるようにしています。

診療体制

当科は、各領域のスペシャリストとして、外科専門医13名、乳腺専門医6名、内分泌・甲状腺外科専門医3名、甲状腺学会専門医2名の医師が常勤医として勤務しており、専門性の高い医療を提供しています。これにより、東北大学病院は、日本乳癌学会認定施設、マンモグラフィ検診施設画像認定施設、内分泌・甲状腺外科専門医認定施設に認定されています。なお、外科日は、曜日によって診療内容が異なりますのでご注意下さい。

得意分野

乳がんに対する最新の画像診断として、3次元マンモグラフィ、造影超音波検査を導入し、MRI、CT、PETと組み合わせて、精密な診断に務めています。また、乳房温存手術において、整容性を追求したLateral Tissue Flap (LTF)法を開発し、実施例は1,300例を超えるとともに、術後10年の温存乳房内再発率が4%と、根治性においても優れた成績を挙げています。

薬物療法では、ガイドラインに基づいた標準治療を柱に、まだ市販される前の、効果が期待される新規治療薬の「治験」も積極的に行っています。

甲状腺治療でも、気管浸潤を伴う進行した甲状腺がんに対する気管合併切除術や、悪性度の高い未分化がんに対する新規分子標的治療を加えた集学的治療などにも積極的に取り組んでいます。

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