糖尿病に対する外科治療 -糖尿病外科-

糖尿病に対する外科治療 -糖尿病外科-

減量手術には、糖尿病や脂質異常症、非アルコール性脂肪肝炎などの代謝疾患に対する非常に高い治療効果があることが分かっており、糖尿病をはじめとした代謝疾患の治療を主目的とした手術は「代謝改善手術」と呼ばれるようになってきています。
代謝改善手術は非常に効果が高く、欧米の論文では、手術による糖尿病改善率は86.0%であり、そのうち76.8%が治癒(薬を使用しなくても、HbA1cが正常)するとされています。中でも消化管バイパスを伴う手術の方がより高い効果が得られることが分かっています。
糖尿病が改善する仕組みについては、消化管ホルモンや胆汁酸と言われる物質の影響が推測されていますが、未だ解明されていません。しかしながら、その高い治療効果を受けて、世界糖尿病連合、アメリカ糖尿病学会からは、内科的治療で十分な効果が得られない肥満を伴う2型糖尿病に対しては、外科治療は妥当な治療法であるという共同声明が発表され、日本の糖尿病学会もこれを承認しました。
当院においても、減量手術後には非常に高い糖尿病改善効果を示し、7割以上の患者さんで糖尿病の寛解が得られ、術前にインスリンを使用していた方ではほぼ全ての患者さんでインスリン治療が中止できています。
まだまだこれからの分野ではありますが、(コントロール不良の)糖尿病に対して行われる外科治療「糖尿病外科」が一般的に行われる時代が来るかもしれません。

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