減量・代謝改善手術の手術術式

減量・代謝改善手術の手術術式

当院で施行可能な手術術式は、スリーブ状胃切除術、スリーブ・バイパス術の2術式となります。なお、全ての手術は「腹腔鏡」という細いカメラを用い、小さなキズで低侵襲かつ安全に行われます。
なお、保険診療として施行可能な術式は、これまではスリーブ状胃切除術(2014年4月〜)のみでしたが、2024年6月よりスリーブ・バイパス術も保険適応となり、選択肢の幅が広がりました。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

日本で最初に保険診療として認可された術式で、全国的にも最も多く行われています。またこの術式は世界的にも最も多く行われている、現在の減量・代謝改善手術のスタンダードとも言える術式です。
胃の外側(大彎側)の大半を切除して、胃を細長く形成して食事摂取量を制限する術式です。胃の大きさはおよそバナナ1本分くらい(150cc程度)になります。また、胃の上部から分泌される食欲増進ホルモン(グレリン)が減少することで食欲を抑制する効果もあります。
シンプルで非常に有効な術式で、消化管バイパスを含まない分、栄養吸収に与える影響が少ないとされています。










腹腔鏡下スリーブ・バイパス術

スリーブ状胃切除術に十二指腸-空腸バイパス術を加えた術式で、食事摂取量を抑える効果に加え、栄養吸収を抑制することでより高い効果を発揮します。
2018年4月より本術式は先進医療Aに認定され2024年6月からは保険適応となり、より高度な糖尿病を合併した患者さんに対して選択される術式です。
スリーブ状胃切除術を行った上で、十二指腸を離断し、さらに小腸も離断し、十二指腸と小腸を吻合します。これにより食事が通過する小腸の長さが短くなることで栄養吸収が抑制されるだけでなく、体内でインスリン抵抗性が改善したり、消化管ホルモンや腸内細菌の状況が変化するなど、さまざまなメカニズムで高い代謝改善効果を発揮します。
非常に高い体重減少効果はもちろんのこと、特に糖尿病に対してとても大きな効果がありますが、術式として複雑かつ難易度が高いため、日本では当院を含めごく限られた施設で行われているのが現状でしたが、保険収載されることで件数の増加も見込まれています。

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