後腹膜腫瘍、副腎腫瘍

 腹部臓器のうち胃や腸などは腹膜という膜に包まれて腹腔内に存在していますが、腹膜に包まれた領域の後ろ側のスペースを後腹膜腔と呼び、腎臓、尿管、膀胱、副腎、大動脈、大静脈などが存在しています。この後腹膜腔に発生した腫瘍を後腹膜腫瘍と称します。そのうち悪性のものとしては副腎癌、傍神経節悪性腫瘍、脂肪肉腫、転移性腫瘍などがあり、外科的切除の対象となることがあります。
 当科では後腹膜腫瘍に対しても手術を行っており、過去10年間に87例の後腹膜腫瘍の切除手術を行っております。腫瘍の内訳は、褐色細胞腫や傍神経節腫瘍、副腎癌、脂肪肉腫などです。臓器移植手術でつちかった技術を応用して腸管や腎臓、血管、筋肉など多臓器の合併切除・再建が必要な腫瘍の切除を行っています。状況によっては血管外科、泌尿器科、整形外科、形成外科など各診療科と連携して手術を行っています。また、ホルモンを分泌する褐色細胞腫や傍神経節腫瘍に対しては内分泌内科、麻酔科と連携してホルモン分泌の調整を行いながら切除をしています。


後腹膜腫瘍(左:脂肪肉腫、右:副腎腫瘍)

血管合併切除症例(左:腫瘍(右腎、下大静脈合併切除)、右:下大静脈再建後)

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