胆石といわれた方へ

総胆管結石症

総胆管結石症とはどのような疾患か

総胆管にできた石や胆嚢から落ちてきた石を総胆管結石といいます。胆汁に含まれるビリルビンやコレステロールが成分となり結石が形成されます。 腹部超音波検査、排出性胆道造影(DIC)CT検査、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、MRIなどの各種画像検査で診断されます。

 
症状はどのようなものがあるか

総胆管結石の症状として腹痛や黄疸、肝機能障害などがあげられます。細菌感染を合併すると発熱を伴う急性胆管炎を併発することもあります。また結石が十二指腸への出口(乳頭部)をふさいでしまう(陥頓)と膵臓にも炎症が起こり(膵炎)重症化する場合もあります。以上から、総胆管結石は無症状であっても急性胆管炎・膵炎の合併により重症化する可能性もあるため発見された場合にはすみやかに治療することが推奨されます。

 
治療法はどのようなものがあるか
1.内視鏡的結石除去術

内視鏡(胃カメラ)を用いて十二指腸乳頭部からバルーン(医療用の風船)や鉗子を用いて結石を除去します。結石を取り除くと同時に石の排出口である乳頭部を切開したりバルーンで広げる内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭大径バルーン拡張術(EPLBD)も施行されます。外科手術に比べて患者さんへの負担が少なく、現在では第一選択の治療となっています。

2.外科的総胆管結石手術(開腹手術・腹腔鏡下手術)

外科手術は全身麻酔下で行われ、内視鏡治療にくらべ患者さんへの負担が大きい治療法です。以前はお腹に大きな切開創をつくり行う開腹手術が標準でしたが、近年では傷の小さな腹腔鏡下手術が普及しています。腹腔鏡手術のメリットは出血量が少ない、痛みが少なく手術後の在院期間が短いことが挙げられます。強い炎症を伴った場合など技術的に難しい場合は途中で開腹に移行する場合もあり、その頻度は1.4~13%と報告されています。胆嚢結石も合併した場合は、手術によって一度に胆嚢結石と総胆管結石が治療できるというメリットがあります。また、内視鏡で総胆管結石を治療した後に腹腔鏡下に胆嚢摘出術を行うという2期的な治療方針もあり、個々の状態や症例に応じた治療法が選択されています。

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