肝臓の中に石があるといわれた方へ

肝内結石症は、肝臓内の胆管に胆石ができる「胆石症」の一つです。「胆石症」には他に胆嚢結石、総胆管結石がありますが、肝内結石の頻度は胆石症全体の約1%と少なく、稀な疾患と考えられています。肝内結石の原因は正確には明らかにされていませんが、多くの症例で、腹痛、発熱、黄疸といった胆管炎と同じような症状が認められ、結石の成因には胆管炎など、胆道の細菌感染が大きく関わっていると考えられています。

治療は結石を取り除くことが目的となります。経口内視鏡を用いて結石を取り除く治療が試みられますが、結石は肝臓内に多発することが多く、結石をうまく除去できない場合があります。また、内視鏡治療が成功し結石を除去しても、その後の経過の中で高頻度に結石が再発します。さらに、胆管炎を繰り返すうちに、肝臓自体が萎縮し機能が低下すること、萎縮した肝臓は癌の発生母地となることが知られています。内視鏡で結石を除去することが困難な症例、肝臓に萎縮を認める症例では、結石のある肝臓の一部を外科的に切除する手術が必要となります。

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