検査方法

内視鏡検査 食道胃透視 CT検査 PET検査 全身検査

内視鏡検査(胃カメラ)

早い段階の癌では、食道粘膜のわずかなくぼみや盛り上がり、色の変化として観察されます(写真1)。進行した癌では、潰瘍(深いくぼみ)や大きな盛り上がり、狭窄などの形をとります(写真2)
写真1 表在型食道癌
 矢印に囲まれた範囲に表在型の食道癌を認めます。周りの正常の食道粘膜に比べると赤みが強く、また粘膜表面が凸凹しているのが分かります。
写真2 進行食道癌
 食道内腔に突出して、中心に潰瘍(凹み)を伴う進行食道癌です。
写真3 ヨード染色
 写真1と同じ食道癌です。ヨードを食道に撒くと、正常粘膜は茶褐色に染まり、癌の部分は染まらず白く抜けて見えます。ヨード染色を併用することで病気の見落としが少なくなります。
写真4 特殊光を用いた食道病変の観察
 狭帯域光観察(narrow band imaging:NBI)という特殊光を用いると食道癌が茶褐色の病変として見えます。ヨード染色と同じで食道癌の発見の手助けになるだけでなく、病変の中の微小な血管の走行などを詳しく見ることで癌の深達度を診断するのにも大変有用です。

食道癌を内視鏡検査で診断するときの手段としてヨード染色というのがあります。ヨードを食道粘膜に撒くと正常粘膜は茶褐色に染まりますが癌はヨードに染まらないため白く抜けた病変として認められます(写真3)。ヨード染色は食道癌を同定するために非常に簡便かつ有用な検査です。また現在は内視鏡機器の進歩により特殊光や拡大して病変を観察することができます。特殊光では特に狭帯域光観察(narrow band imaging:NBI)を用いると食道癌が茶褐色の病変として見えます(写真4)。これは早期食道癌に伴う粘膜の血管の異常を捉えているのですが、約80倍の拡大機能を併用することでさらに詳細・正確に病変を観察することできます。これらの機能を活用することで食道癌の早期発見だけでなく、検査時間の短縮や不必要な生検を減らすことなどができます。また食道癌に重複することの多い喉の癌(咽頭癌、喉頭癌など)の早期発見などにも有効です。
当教室では年間約500例の内視鏡検査を行っています。特殊光と拡大機能を持った内視鏡で検査を行うことで正確な食道癌の診断だけでなく、治療後のフォローアップ、再発の早期発見などに努めています。

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乳腺内分泌外科

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