膵臓手術術式

膵体尾部切除術切除術について

膵臓の体部から尾部側を切除する手術になります。この手術は主に膵臓の尾側にできた病変を切除する際に必要となります。手術によっては脾臓を残す場合もありますが、多くの場合は一緒に切除することとなります。
食べ物の通り道をにかかわる手術ではないため、切除後は特に腸管の吻合などを含めた再建といったものは必要にはなりません。病気によっては、内視鏡を用いた手術が適応となる場合がございます。ご興味がある方は内視鏡手術のページ(リンク)もご参照ください。

手術後の合併症

膵液漏
膵臓を切離したのちに、断端から膵液が漏れてしまうことがあります。膵液の溜まりに細菌などによって感染を併発しますと、動脈瘤といったさらなる合併症を引き起こす場合があります。動脈瘤が破裂した場合には大出血などをきたす場合がありますので、その扱いには特に注意が必要とされております。

糖尿病
膵臓は血糖のコントロールを行う上で重要なインスリンを産生している臓器になります。手術によって膵臓が失われることで、インスリン分泌量が減少し、糖尿病を発症する可能性があります。

重症感染症(脾臓を摘出する場合)
脾臓は体の中で様々な免疫にかかわる臓器になります。このため脾臓を摘出することで稀ではありますが、劇症型感染症を引き起こす可能性がございます。このため術前からその予防として肺炎球菌ワクチンの接種などを行っていただくことになります。

手術後の経過

食べ物の通り道に対する影響が少ないため、手術翌日から食事摂取が可能となります。手術時におなかの中に留置した管から定期的に検査を行い、膵液の漏れなどがないことを確認し、術後4-5日で管を抜くことになります。手術後10日前後で腹部のCT検査を行い、膵液漏やその影響などがないことを確認したうえで、退院が可能となります。

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