炎症性腸疾患
担当:長尾、阿部、渡辺、工藤、井本
炎症性腸疾患
当科では以前より潰瘍性大腸炎やクローン病をはじめとする炎症性腸疾患に対する手術治療を行ってきており、両疾患ともそれぞれ400例を超える治療経験があります。炎症性腸疾患は若年で発症することが多く、現在のところ根治治療法がないため、術後長期間のQOLが問題となりますが、このQOLの向上を目指した手術を行っております。
炎症性腸疾患の外科診療における課題としては学業・就労に対する影響をいかに減らすかという共通の問題があると共に、潰瘍性大腸炎では排便機能の問題(ストーマや肛門機能など)、クローン病では腸管機能の温存・将来の短腸症候群をいかに防ぐかということなどが挙げられます。
当科では潰瘍性大腸炎では基本的に肛門機能の温存を目指した分割手術での大腸全摘・回腸肛門(管)吻合術を行っております。一方、クローン病では狭窄形成術の併用による腸管温存の工夫や、適切な腸管の切除範囲の決定などにより、QOLの向上を目指した手術を実施しております。また、クローン病の複雑痔瘻に対しましては肛門機能の温存を目指してシートン法による治療を行っております。
両疾患とも最近では腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、より低侵襲でより美容に優れた手術を目指しております。
手術シェーマ
腹腔鏡補助下回盲部切除後の腹部写真
(低侵襲でより美容に優れた手術を目指してます)