手術術式(膵臓手術・肝臓手術)
膵頭十二指腸切除術について
膵頭十二指腸切除術は膵臓癌や胆道癌に対して広く行われている手術になります。この手術では膵臓の頭側と十二指腸、胃の一部、胆管が摘出されます。

切除後の再建について
対象となる臓器が摘出された後には再度食べ物の通り道を作る必要があります(再建)。
再建には小腸の一部を使用し、
これによって食べ物の道筋と、膵液や胆汁といった消化酵素がうまく混ざり合うような形を作ることができます。
再建には小腸の一部を使用し、
- 小腸と膵臓
- 小腸と胆管
- 小腸と胃をつないだ後に、流れ道をもう一つ作るために
- 小腸と小腸をさらに吻合いたします。
これによって食べ物の道筋と、膵液や胆汁といった消化酵素がうまく混ざり合うような形を作ることができます。

手術後の経過
当科では手術を行ったのちの早期離床を推奨しております。なるべく早い時期から積極的に動いていただき、術後に筋力が低下することの予防に努めております。手術経過2週間目に一度CT検査を行い、おなかの中に出血をきたしそうな病気がないことを確認したうえで退院という流れになります。
手術後の合併症
膵液漏
膵臓を切離したのちに、断端から膵液が漏れてしまうことがあります。膵液の溜まりに細菌などによって感染を併発しますと、動脈瘤といったさらなる合併症を引き起こす場合があります。動脈瘤が破裂した場合には大出血などをきたす場合がありますので、その扱いには特に注意が必要とされております。
糖尿病
膵臓は血糖のコントロールを行う上で重要なインスリンを産生している臓器になります。手術によって膵臓が失われることで、インスリン分泌量が減少し、糖尿病を発症する可能性があります。
重症感染症(脾臓を摘出する場合)
脾臓は体の中で様々な免疫にかかわる臓器になります。このため脾臓を摘出することで稀ではありますが、劇症型感染症を引き起こす可能性がございます。このため術前からその予防として肺炎球菌ワクチンの接種などを行っていただくことになります。
手術後の経過
食べ物の通り道に対する影響が少ないため、手術翌日から食事摂取が可能となります。手術時におなかの中に留置した管から定期的に検査を行い、膵液の漏れなどがないことを確認し、術後4-5日で管を抜くことになります。
手術後10日前後で腹部のCT検査を行い、膵液漏やその影響などがないことを確認したうえで、退院が可能となります。

膵体尾部切除術について
膵臓の体部から尾部側を切除する手術になります。この手術は主に膵臓の尾側にできた病変を切除する際に必要となります。手術によっては脾臓を残す場合もありますが、多くの場合は一緒に切除することとなります。
食べ物の通り道をにかかわる手術ではないため、切除後は特に腸管の吻合などを含めた再建といったものは必要にはなりません。病気によっては、内視鏡を用いた手術が適応となる場合がございます。
ご興味がある方は内視鏡手術のページもご参照ください。

手術後の合併症
膵液漏
膵臓を切離したのちに、断端から膵液が漏れてしまうことがあります。膵液の溜まりに細菌などによって感染を併発しますと、動脈瘤といったさらなる合併症を引き起こす場合があります。動脈瘤が破裂した場合には大出血などをきたす場合がありますので、その扱いには特に注意が必要とされております。
糖尿病
膵臓は血糖のコントロールを行う上で重要なインスリンを産生している臓器になります。手術によって膵臓が失われることで、インスリン分泌量が減少し、糖尿病を発症する可能性があります。
重症感染症(脾臓を摘出する場合)
脾臓は体の中で様々な免疫にかかわる臓器になります。このため脾臓を摘出することで稀ではありますが、劇症型感染症を引き起こす可能性がございます。このため術前からその予防として肺炎球菌ワクチンの接種などを行っていただくことになります。
手術後の経過
食べ物の通り道に対する影響が少ないため、手術翌日から食事摂取が可能となります。手術時におなかの中に留置した管から定期的に検査を行い、膵液の漏れなどがないことを確認し、術後4-5日で管を抜くことになります。手術後10日前後で腹部のCT検査を行い、膵液漏やその影響などがないことを確認したうえで、退院が可能となります。
肝切除術について
肝臓は示された解剖図のように、肝臓内の血管や胆管の走行により、領域が定められています。肝臓を切除する場合、肝臓のどの部位に腫瘍があるか、どの領域を切除するかによって、切除する範囲や切除のやり方が変わります。
肝部分切除
比較的小さな病変や、太い脈管にかからない病変に対して、腫瘍を繰り抜くように小さな領域で切除します。肝亜区域切除・区域切除
部分切除では切除できない大きな腫瘍や、領域で切除が必要な場合、亜区域切除や区域切除が選択されます。肝葉切除(左葉切除・右葉切除)、肝3区域切除(左3区域切除・右3区域切除)
区域を超える大きさの腫瘍や、太い脈管に癌の浸潤を認めるような腫瘍に対しては、左右どちらかからの肝葉切除や肝3区域切除が選択されます。肝門部領域の胆管から発生する肝門部領域胆管癌に対しては、尾状葉切除を伴う肝葉切除または3区域切除+肝外胆管切除+胆道再建術が必要となります。
肝臓の解剖(領域)
| 葉 | 左葉 | 右葉 | 尾状葉 | ||
| 区域 | 外側区域 | 内側区域 | 前区域 | 後区域 | |
| 亜区域 | S2・S3 | S4 | S5・S8 | S6・S7 | S1 |

切除後の再建について
肝外胆管切除を伴う肝切除では、消化管再建は必要としません。一方、肝門部領域胆管癌に対する肝外胆管切除を伴う肝切除では再建が必要になります。再建には小腸の一部を使用し、①小腸と胆管②小腸と小腸を吻合いたします。
食べ物の道筋と、胆汁がうまく混ざり合うような形を作ることができます。
手術後の合併症について
胆汁瘻 肝臓を切った断面から消化液である胆汁が漏れることを言います。通常は手術後にドレーンという管を腹腔内に留置し、体外に排出され、次第に改善するため、大事には至りませんが、この合併症により入院期間が延長する可能性があります。
肝不全
切除後に残った肝臓が十分に機能を果たさなくなる病態です。残る肝臓が非常に小さな場合や、肝機能が著しく不良の場合に起こり生命に関わる非常に重篤な合併症です。術前の肝機能の評価や残肝の容量を測定し、この合併症が起こらないように十分注意して手術を行っております。
術後出血
手術で操作した部位から出血する場合と、時間を経た後(数日から数週間)に胆汁漏や膵液瘻が原因で動脈から出血する場合があります。出血に対しては、再手術や血管造影でカテーテルにより止血を行います。動脈性の出血に対して止血術を行うと、肝臓への血流が無くなってしまい、肝不全が起こり非常に重篤になることがあります。